本当の高尾は、奥高尾にあり!「絶景&グルメ」が堪能できるアレンジ登山を実践

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雲と青空のコントラストが、気持ちをリフレッシュしてくれる低山登山は、誰もが登りやすく、比較的簡単な装備で気軽に山の魅力を堪能できるのが特徴です。

その代表格として挙げられるのが、年間260万人が登る「年間登山者数・世界一」の高尾山。ケーブルやリフトで山の中腹まで行け、9つのハイキングコースがあります。

そこから先の「奥高尾」を知らず、山頂から復路で折り返している人が多いのではないでしょうか。
実は、高尾山の山頂からほんの10分歩くだけで風景がガラリと変わります。

今回は、奥高尾の魅力と気軽に登れるルートを紹介するのでぜひ参考にしてくださいね。

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奥高尾縦走路について

筆者撮影 高尾山山頂に奥高尾へのルート標識がある

奥高尾縦走路にもいくつかコースがありますが、ルートの組み合わせによって、楽しみ方も変わってきます。

筆者は、人が少なくなる夕方に高尾山山頂を訪れるルートにしています。人混みの日常から離れたいのであれば、高尾山からの眺望を最後に楽しむのがおすすめです。

自分の体力に合ったルート選択ができる

筆者撮影

いずれも尾根づたいに山頂をつなぐルートで、計約6時間〜7時間かけて縦走するのが奥高尾の真骨頂ですが、途中で下山することも可能です。

例えば、
①景信山〜小仏城山ルート
②陣馬山〜景信山ルート
③小仏城山〜高尾山ルート
など、気分次第でルートを変更出来ます。

もちろん2つのルートを経由したり、スタート地点を逆にしたりと、自由に組み合わせることができます。

高尾山から延びる奥高尾縦走路の基本ルート

筆者撮影

高尾山「たかおさん」(599m)〜小仏城山「こぼとけしろやま」(670.3m)
〜景信山「かげのぶやま」(727.1m)〜陣馬山「じんばさん」(855m)

今では観光地となった高尾山の人混みから、一気に林間の風と光を感じることができる。それが奥高尾の魅力なのです。

まずは小仏城山〜高尾山ルートにチャレンジ!

筆者撮影 スギ林の林間は清々しい

奥高尾の山々を行かず明るいうちに京王電鉄高尾山口駅から高尾山を折り返すのは、一般的なコースではあるが、非常にもったいないです。

空気の澄んだ季節に、富士山がとても綺麗に見えるスポットや、紅葉の時期に深い色に染まる紅葉など、自然を存分に堪能できます。

奥高尾ルートの入門編としておすすめ

筆者撮影

奥高尾ルートの入門編としておすすめしたいのが、「小仏峠〜小仏城山〜高尾山」の縦走ルートです。

奥高尾はトレイルランニングの練習場所としても人気が高く、筆者もトレランをしていた頃は、このルートをよく利用していました。

ハイキングでも、このルートは初心者でも抵抗なく自然の息吹を感じられ、数々の撮影スポットや城山グルメを堪能できますよ。

登山口に入るなりマイナスイオンを感じる

筆者撮影 絶えることのない湧水があり、登山者の喉を潤す

登山口に入ると、空気の変化を感じることができます。「気持ちいい〜!」とホッとしてしまうことでしょう。

林間からの光と空気が心地よく、感じるマイナスイオン効果登山口付近に飲める湧水スペースがあり、冷たい軟水を楽しめます。

小仏峠

筆者撮影 相模湖と富士山が一望できる

そろそろ開けた場所が恋しくなる頃、平坦な小仏峠に出る。ここはかつて明治天皇が旅すがら休んだ場所としても知られており、石碑も建立されている。

小仏峠は、年中心地よい風が通り抜ける場所として有名であり、富士山と相模湖が同時に眺められ、休憩にはもってこい。体力温存に気持ちのいいスポットです。

小仏城山到着!お待ちかね昼食タイム

筆者撮影 東海自然歩道は旧甲州街道。大阪まで続いている。

奥高尾に行き交う人全般に言えるのだが、気さくに話せて「こんにちは」の挨拶も自ずと飛び交います。トレランで息を切らしている人ですら挨拶をしてくれます。初めての人は、山登りのよさを感じる光景です。

開けた小仏城山の山頂には、2軒の茶屋とベンチやテーブルが並んでいます。

しばらくすると城山鉄塔が見え、一気に視界が開け小仏城山の山頂に辿り着きます。真っ先に目につくのが2軒ある茶屋です。

城山に来たら絶対飲むべし!

筆者撮影 これを求めに登ってきたようなもの

うち1軒の城山茶屋で出されるなめこ汁(税込み300円)が実に美味い。味噌ベースの茶屋は多いが、城山茶屋のなめこ汁は醤油ベース。しかも、ほかの茶屋と比較してもすこぶる安い。

寸胴鍋で作るため、なめこが家庭では出せないとろみを出している。醤油ベースの隠し味にゆずが使われており、ゆずの香りが非常に爽やかです。

とろりとしたなめこ汁は何杯でも飲めてしまいます。他のメニューも格安で美味しいものがたくさんあるので、持参しなくとも昼食はこの茶屋で済んでしまうでしょう。

城山からの景観

筆者撮影 小仏城山からの開放的な眺望

景色も最高です。都心のスカイツリーから横浜ランドマーク方面まで一望できる。反対の相模湖側へ回れば、富士山が目の前に現れている

筆者撮影 ここの芝生がお気に入りの場所

広がる茶屋ベンチの脇に芝生の場所がある。ここは茶屋より一段低く視界も開けているため、静かに過ごしたい人にはおすすめの場所です。

ごろ寝をすれば、青空と富士山だけが見え、うたた寝をしたくなる筆者お気に入りの場所です。

桜の一丁平と紅葉のもみじ台

筆者撮影 丹沢の山々を目の前に右奥に富士山も見えます

小仏城山から高尾山へ向かう登山道はなだらかで、歩きやすい道が続く。高尾山方面から来ると上りが多く感じるかもしれない。ほどよい下りと平坦な道で景色ものんびり見ることができます。

小仏城山で昼食を済ませれば、体力も温存され心地よく歩けます。このあたりは巻き道も多いので、要所要所の標識を見ながら進みましょう。

一丁平でシャッターチャンス

筆者撮影 非常に開放的な気分にしてくれる登山道から見た丹沢方面の展望

小仏城山から高尾山までのルート上にある「一丁平の千本桜」は有名で、春の時期になると多くの人で賑わうスポットです。一丁平には展望デッキもあり、富士山と丹沢の山々を眺められる。

背後には屋根付きの休憩スペースもあり、少しのんびり山の景色を堪能できますよ。

ワインを持ってもみじ台

筆者撮影 小仏城山から高尾山までのルート終盤にある「もみじ台」

一丁平からもみじ台までは、整備された道と階段が続く。もみじ台は文字通り、紅葉シーズンに鮮やかな赤色に彩られる

例年ボジョレーヌーボーが解禁される頃、この下で飲むのが恒例となっているリピーターもいるほどです。

筆者撮影 紅葉の時期には樹木が赤く染まる

もみじ台は、高尾山から10分も歩けば着く場所なので、紅葉シーズンはここまで来る価値がある場所です。

高尾山山頂

筆者撮影

もみじ台から、最後の目的地、高尾山へ到着すると、人の数・服装も一気に変わってきます
リュックもなく、手ぶらで気軽なノリで来てしまったような人達も少なくありません。実際、それでも来れてしまうのが高尾山であり、その手軽さも魅力なのかもしれません。

夕日をとるか蕎麦をとるか

筆者撮影 15時過ぎの高尾山山頂。多くの人で賑わっている

のんびり縦走してくると、リフトやケーブルカーの最終便の時間も近づき、ピーク時と比べ観光客は少なくなってきます。

さて、ここで2つの選択肢から一方を選ばなければならない。山頂で待機して夕日をとるか、下山して蕎麦をとるか

筆者撮影 空気の澄んだ季節が夕日のねらい目

空気の澄んだ季節が夕日のねらい目高尾山の山頂から眺める夕日は素晴らしいです。

高尾山口駅から高尾山だけを登ってすぐに下山してしまう人は意外と知らないはずだが、夜景も素晴らしい。この景色をファインダーに納めたくて日が沈むのを待っている人もいるぐらいです。

高尾山は、灯りや舗装路のコースもあるので、ライトは必須だが安心して下山できるのも特徴の1つです。

筆者撮影 高橋家のねぎ鴨そば

下山して蕎麦を食べる方を選ぶのなら、ぜひ髙尾山ケーブルカー清滝駅前にある「高橋家」を訪れてもらいたいです。昼間は必ず行列ができる店だが、ピークの時間帯を避ければ、すんなり入れます。

高橋家は今から200年前の江戸時代・天保年間に創業し、高尾山を訪れる登山客や信仰者、観光客などに長年愛されてきた老舗店です。

店内には樹齢150年余りの柿の大木が根を下ろし、迎えてくれます。落ち着いた店内で食べる蕎麦は、なぜかホッとします。

筆者撮影 登山口に最も近い老舗高橋家。趣ある佇まいがほっとする

高橋家の閉店は午後5時。夕日を待って下山の時間も考慮したら、店は閉まっている。筆者は夕日と蕎麦でいつも迷ってしまう。

人気の高い奥高尾の山々!ぜひ1度足を踏み入れてみて

筆者撮影 高尾山の展望台

今回は、高尾山から先の奥高尾の中でも、比較的初心者向けで、コースタイムに余裕のある城山〜高尾山ルートを紹介しました。

登山用のGPS地図アプリを展開するコミュニティサイト「ヤマレコ」が、2023年3月〜2024年3月までの1年間で調査した「全国人気の山ランキング」では、
高尾山が1位に選ばれたほか、2位に小仏城山、5位に景信山が選ばれるなど奥高尾の山々が多くランクインしています。

1,600種類の花々、100種類の野鳥、30種類の動物、4,000種類の昆虫が生息していると言われ、まさに「自然の宝庫」の山々である。

2020年6月文化庁が認定する「日本遺産」に東京都で初めて認定された高尾山。フランスで発売される日本の観光地を紹介するガイドブック「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」の三つ星に。

京都や奈良、富士山と並んで選ばれたことから外国人観光客も増え、訪れる人口は年々増加傾向です。

地下1,000mから汲み上げた極楽湯

しかし、奥高尾に一歩踏み込むと、自然豊かで静かに散策できる非日常がそこにはあります。シャッターチャンスのポイントも数多くあります。

筆者撮影 地下1,000mから汲み上げた極楽湯

縦走後は、高尾山への玄関口でもある京王線高尾山口駅内にある「極楽湯」で疲れた身体を癒して帰るのもいいでしょう。7種類の風呂に浸かれば、1日を満喫した達成感を感じるはずです。

筆者撮影 いつも違う顔をみせてくれる小仏城山からの風景
筆者撮影 蕎麦を食べた後でも、高尾駅から風情ある夕日が見られる。Always3丁目のワンシーンのようだ。

達成感や心地よい疲労感は、色々な角度からの富士山や空や雲、林間からの風や様々な景色を堪能し、人との触れ合いに心和んだからなのかもしれませんね。

グルメや絶景を堪能できる奥高尾に、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。