加工しやすいポリエステル素材のテントが大小多種多様に出回っていますが、TC素材のテントは夏にも使ってもらいたいテントです。
冬は暖かく、夏は涼しく快適に過ごせますよ。筆者は、その快適さゆえに全てTC素材のテントを愛用しています。
今回は、真夏のTCテントってどうなの?と購入を迷っている方に、TCテントのメリット・デメリットも含めて紹介します。
ぜひ、参考にして下さい。
TC素材とポリエステル素材の特徴を比較
まずは、TC素材とポリエステル素材とはどういうものか比較してみましょう。
TC素材とは何?
TCとは別名であり、テトロンとコットンを混紡した繊維製品の頭文字からきています。テトロンは、ポリエステル繊維を開発した帝人と東レの共同商標です。
配分率は、ポリエステル65%・コットン35%が一般的であることから、ポリコットンと呼ばれ、TCはポリコットンの略称になります。
100%コットン素材より軽量で、価格もコットン100%よりリーズナブル。化学繊維と天然繊維の良いとこどりをした合成素材です。
ポリエステル素材とは何?
ポリエステルは、服の素材としても使用されているので、馴染み深い繊維ですよね。
PETプラスチックのペレットを溶かして、細長い繊維に紡ぎ出して商品化しています。もともと防水性を備えていますが、いざテントとなると強度と防水性のいずれも確保するために、繊維を特に緊密に練り上げる必要があります。
ポリエステルのテントは弾性が少なく、通気性が悪いため、結露も発生しやすい素材です。それを、回避するためにネット窓を多様化しています。
それぞれの比較表
素材での比較は、以下の通りです。劣勢なポリエステル素材ですが、テントではネット付きの換気窓やフライシートでの耐久性などでカバーしています。
TC素材 | ポリエステル素材 | |
---|---|---|
通気性の良さ | ◎ | × |
耐久性の良さ | ◎ | × |
難熱性の良さ | ◎ | × |
重量の軽さ | × | ◎ |
撥水性の良さ | × | ◎ |
TCテントのメリット
TCテントは、良いとこどりをした合成素材。そのメリットを紹介します。
※DODカマボコテントソロTCの記事はこちら→DOD「カマボコテントソロTC」は前室でも寝れる小さな秘密基地!
通気性と遮光性に優れている
TCテントは気温の状態により生地が呼吸するテント。冬は生地が締まり夏は生地が緩みます。それにより、冬は暖かく、夏は涼しいテントです。
通気性が良いばかりでなく、日差しと熱を効率的に遮断し、テント内に濃い日陰を作ってくれるので、夏のキャンプにはおすすめです。
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耐久性と透湿性に優れている
TCテントは、ポリエステル素材も使用していることで、高い耐久性にも優れています。
コットン素材が混紡していることで、肌触りも良く柔軟性・機能性を兼ね備えています。
空気の流れがないと内部に結露が発生する可能性があり、換気はテントにとって非常に重要ですよね。TCテントであれば透湿性があるため、テント内が結露しにくいという特徴もあります。
難熱性に優れている
TCテントは、燃え広がりにくい性質を持っているため、難熱性に優れテントに近い場所での焚き火も可能です。
ポリエステルのテントの場合、火の粉が飛んできたら一瞬で生地に穴が空いてしまいます。
リラックスして焚き火をしたい人にはTCテントがおすすめですよ。
TCテントのデメリット
TCテントは良いことばかりじゃないか!と思われるかもしれませんが、コットンが入っている事によりデメリットもあります。
雨が苦手
雨漏りはしませんが雨が降った際、生地の特徴として吸湿する性質上耐水圧は低く、テントそのものが重くなります。
吸湿性が高いコットンは、水分を吸水し結露が発生しにくいメリットもありますが、水分を多く含みカビの原因となります。しっかり乾燥させることが必要です。夜露も同じです。
汚れが付きやすく、落ちにくい。そして重い
TC素材は生地が厚く縫い合わされているため、汚れが付くと落ちにくい性質があります。
テント下の隙間を埋めるスカート部分は、1番汚れやすく泥はねなどはなかなか落ちません。
また、生地の厚みからどうしても重くなります。軽量コンパクト向きではないのもTC素材の性質です。
夏こそTCテントで快適に過ごそう!
デメリットもありますが、メリット効果の方が高いと感じます。ポリエステルの場合、加水分解といって使用頻度が多くなってくると、幕内がベタつきシムテープが剥がれ雨漏りの原因となるデメリットがあります。
しかし、TCテントは多少のメンテナンスで、真夏の強い日差しから濃い影を作り、遮光性と通気性の威力を発揮できるのは魅力的です。
暖かいイメージのあるTCテントは、冬に需要が高くなりがちですが、実は夏こそTC素材の特徴を活かし活躍できるテントなのです。
一度入手すればオールシーズン使用可能であり、乾燥さえすれば半永久的に使えるテントなので、ぜひ手にして実感してみて下さい。